四十九日法要
四十九日法要とは
四十九日法要(七七日法要)とは、ご命日から四十九日目に執り行うご法要です。
古代インドでは、命日を一日目とし、四十九日目までの期間、七日毎に故人の成仏を願い、供養を行いました。
現在では、初めの七日目のお節目を初七日と呼び、葬儀とあわせて執り行う地域も多くなっています。初七日忌法要は故人の為に一番初めに執り行うご法要です。
その後、七日毎の節目が二七日、三七日、四七日、五七日、六七日と続き、七度目節目である七七日(7×7=49)、四十九日となります。
仏教では、私たちのいるこの世を此の岸「此岸(しがん)」、あの世を彼の岸「彼岸(ひがん)」と呼びますが、四十九日までの期間には此岸と彼岸の間の世界として、「中有(ちゅうう)」または「中陰(ちゅういん)」と呼び、この四十九日間に故人がどの世界へとあゆみゆくかが決まると信じられています。そのため、七七日忌法要は特に重視され、「満中陰(まんちゅういん)」と呼ばれます。
四十九日法要と薬師如来
回忌の法要には、それぞれの回忌を担当する仏さまがいらっしゃいます。
四十九日法要はお薬師さまとしても親しまれる薬師如来(やくしにょらい)です。
その名の通り、病気に苦しむ私たちを救う仏さまで、左手には心身を癒す薬が入った壺、薬壺(やっこ)をお持ちです。右手は与願印(よがんいん)を結び、人々の願いを叶える功徳を表わします。私たちの病んだ心や体を治し癒す、ご誓願を持たれた仏さまです。
薬師如来はそれぞれ日光と月の光を象徴する、日光菩薩、月光菩薩を脇侍とし、十二神将を眷属とします。薬師如来を中心にチームとなって、昼夜を問わず私たちを支えてくださる有り難い仏さまです。
薬師如来は、四十九日間の最後の節目として、故人や残された人々の心身を癒し、故人を彼岸へと導いてくださいます。故人は四十九日を迎えご先祖様の元へ歩まれます。
薬師如来のご真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
四十九日法要とあわせて勤める法要
開眼法要(位牌・本尊・石塔)
開眼とは、仏の眼を開くという意味で、位牌や仏像を新調した際にお勤めする作法です。宗派によっては開眼を行わない宗派もあります。
埋葬法要
現在では、葬儀後の大切な節目である四十九日法要にあわせて、お遺骨を墓地へ埋葬する埋葬法要を執り行うことが多いようです。
新たにお墓を探す場合や、新たに墓石を建立する場合で、四十九日法要とあわせて埋葬法要を希望する場合には、期間が短い為注意が必要です。
位牌開眼法要
位牌開眼とは、新たにお造りした本位牌(漆を塗った仏壇に安置する位牌)に故人の御霊を込める作法を意味します。葬儀の際に僧侶や葬儀社が支度した白木の位牌は、あくまで本位牌を作成するまでの仮のお位牌です。
四十九日法要までに仏具店等で本位牌を作成し、白木の位牌とあわせて持参します。本位牌は戒名や俗名等を記す為、作成には時間に余裕を持って取り組むことも大切です。
本尊開眼法要
本尊開眼とは、仏壇中央に安置する仏像を「仏さま」にする作法を意味します。木材としての仏像を、仏壇の中でご先祖様を護る「仏さま」にする作法を勤めます。
宗派によりご本尊様が異なりますので、お寺様や仏具店にご相談するのが良いでしょう。木造のものから、掛け軸、屏風など、大きさや形式にも様々なものがあります。また、既に自宅に仏壇がある場合には、本尊様が安置されているはずです。この場合、本尊様を新調したり、開眼を執り行う必要はありません。
石塔開眼
石塔開眼とは、新たに墓石を建立した際に行う作法で、石材としてのお墓を、ご先祖様のお遺骨を護る「仏さま」とするご法要です。地域や宗派によっても異なりますが、水、塩、酒、洗米等を備え、供養します。持ち物について詳しくは地域やお勤め頂くお寺様により異なる場合もあります。法要前に確認するのが良いでしょう。