お盆・盂蘭盆会

お盆.盂蘭盆

お盆・盂蘭盆とは

お盆とは、ご先祖様の御霊お迎えし、先祖と一緒に過ごす期間です。
お盆は正式には盂蘭盆(うらばん)といい、サンスクリット語のウラバン(逆さ吊り)を漢字で音写したものです。
お盆の由来は、約2500年前のインドにさかのぼります。
お釈迦様の十大弟子の一人に木連尊者(もくれんそんじゃ)という神通力に優れた僧侶がいました。
亡き両親のあの世での様子を見たいと、神通力を使って探します。
すると、餓鬼の世界で逆さ吊りにされ苦しんでいる亡き母の姿を目にします。

驚いた木連尊者は、母を救う為お釈迦様に教えを求めます。
するとお釈迦様は「母親は木蓮を溺愛するあまり、他人に対しては冷たく、その行いによって苦しむこととなった。ちょうど僧侶たちの夏安居(げあんご・暑さ等を避け、屋内で行う夏の修業期間)である。修行を終えた7月15日に僧侶たちを招き、飲食物をささげて供養させて頂きなさい。その功徳によって、母親は救われるであろう。」
木連尊者はお釈迦様の教えを実践し、母親は無事に極楽往生をとげることができたそうです。
この仏教のお話と、日本に古来より伝わる先祖を思う信仰が一つになり、お盆は父母や先祖に報恩感謝をささげ供養をつむ重要な日となったのです。

また、目連の母が地獄から救われ、極楽浄土に往生できたことを喜んだ仏弟子たちが、喜びのあまり踊りだしたことが盆踊りの初めとも言われています。

お盆の風習は全国各地に存在し、様々な形で受け継がれています。
地域によりその方法は様々ですが、何よりも大切なのはご先祖様への感謝の気持ちを忘れずにお迎えすることです。

お盆の日にち 7月のお盆、8月のお盆

お盆と聞くと8月の中旬をイメージされる方が多いようですが、地域によりお盆の時期は異なります。
一般的には8月15日を中心に盆行事が行われますが、東京では一月早い7月15日にお盆を行う方が多いようです。
これは明治5年の新暦採用によって、7月15日が農家にとっての繁忙期と重なってしまいました。繁忙期を避け、しっかりとご先祖様をお迎えできるよう、ひと月遅らせたのが8月15日のお盆の始まりです。
その名残を受け、地域により7月盆と8月盆がそれぞれ受け継がれています。

お盆にすること

お盆はご先祖様をお迎えする行事です。宗派や地域により様々ですが、主な内容は次の通りです。
① 盆棚(ぼんだな)(精霊棚・しょうりょうだな)を設える(又は仏壇を盆棚にする)
② 盆棚に食べ物等をお供えする。
③ 墓前や玄関先で、迎え火を焚き、又は提灯を灯し、ご先祖様の御霊をお迎えする。
④ 僧侶にご先祖様を供養してもらう。(各ご家庭又は、寺院本堂)
⑤ 墓前や玄関先で、送り火を焚き、又は提灯を灯し、ご先祖様の御霊をお送りする。

お盆 仏壇の飾り方

〇盆棚(精霊棚)
仏壇をお盆にあわせて、盆棚と改める場合も多いですが、スペースに余裕がある場合には、仏壇とは別に高さの低い机等で設えるのが良いでしょう。
盆棚には仏壇からご先祖様のお位牌を移します。
お盆の時期になると、スーパーなどでもお盆飾り一式を手軽に購入できるようです。市販のものを利用するのも良いでしょう。

●盆棚の作り方
① 笹2本(又は4本)で、盆棚を囲みます(一辺又は四隅)。
② 笹の上部どうしを縄で結びます。
③ 縄にはほおずきを飾ります。
餓鬼は臆病で、暗い場所を好み、明るい場所を嫌います。
笹は身を隠す茂みとなり、ほおずきは灯りとなります。

●盆棚に備えるもの
お盆の供物には、果物、団子、みずのこや、故人が生前好きだった食べ物や菓子をお供えするのも良いでしょう。
・お位牌
・香炉
・花
・燈明(ローソク)
・みずのこ
・精霊馬(キュウリを馬に見立てもの)
・精霊牛(ナスを牛に見立てたもの)

・みずのこの作り方
材料:ナス・キュウリ
① ナスとキュウリを賽の目に刻みます。
② お米を洗います。
③ ①②をよく混ぜ、蓮の葉の上やお皿に盛り付けて完成。
瘦せて喉が細い餓鬼が食べやすいよう、食べ物を細かく刻みます。

お盆は宗派や地域により様々な伝えがあります。
菩提寺様がある場合には、直接お尋ねするのが良いでしょう。

お盆の供養

お盆の期間には、お迎えしたご先祖様の御霊を僧侶により供養してもらいます。
寺院本堂で合同での法要を執り行う場合や、各ご自宅へ僧侶が出向き、精霊棚の前で読経供養する(棚経)のが一般的です。
棚経の場合、僧侶は1日に数十軒を訪問しお経をあげるため、通常の法要よりも短い時間での供養となることが多いようです。

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